ヨガには、さまざまなポーズがあり、呼吸法があります。自宅で初心者の方がヨガを行う上で大切なのは、基本の呼吸法をマスターすることです。
それぞれのヨガ呼吸法は効果も違いますので、正しいやり方をマスターしましょう。
目次
ヨガの正しいやり方!自宅での初心者向け基本呼吸法!効果は?
人が息を吸うには、
・横隔膜を収縮させて下げる
・肋骨を開き広げて、胸腔を広げる
という2つの方法があります。
ヨガではポーズの前に呼吸法がとても大切であり、正しいやり方をマスターすると、健康的な身体づくりや、ダイエットにも繋がっていきます。
自己の精神統一や心のコントロールも、呼吸法は重要なものとなっています。
○呼吸による「心」への作用
呼吸をコントロールし、整えるということは、心の乱れを整え、感情をもコントロールすることにつながっていきます.
○呼吸による「体」への作用
・血液循環の改善
・老廃物の浄化
・免疫力の向上
・腹筋などの内側の筋肉が鍛えられる→筋肉強化→基礎代謝アップ→脂肪燃焼率アップ
⇒太りにくく痩せやすい体質になる
・血液循環がよくなる→新陳代謝アップ
⇒むくみが改善され、すっきりする
・便秘の改善
自宅での初心者向け基本呼吸法の種類
ヨガには実に多くの呼吸法があります。
代表的な呼吸法を以下に挙げます。
・腹式呼吸
・胸式呼吸
・丹田呼吸法
・完全呼吸法
・ハタ呼吸法
・シータリー呼吸法
・火の呼吸法
・バストリカ
・カパラバティ呼吸法
・マントラ呼吸法
・ウジャイー呼吸法(勝利の呼吸法)
上記のヨガのやり方と効果について説明します。
腹式呼吸
腹式呼吸は、胸郭(肋骨などからなる籠状の骨格)をなるべく動かさず、横隔膜を引き下げて息を吸う呼吸です。
期待できる効果
・副交感神経の働きを活発にさせ、リラックスさせる
・イライラする、短気、ストレスなどの改善
・内臓のマッサージ効果、冷え症、便秘、生理不順などの改善
腹式呼吸のやり方
1.おへそに意識を集中させ、鼻からゆっくりと息を吸い込み、お腹に空気を溜めて膨らませます。
2.お腹から空気を押しだすように、鼻からゆっくりと息を吐いてお腹をへこませます。
息を吐いた時は、お腹がぺたんこになるようにします。
呼吸のリズムは、3秒で息を吸って、6秒かけてゆっくりと吐くイメージです。
胸式呼吸
胸式呼吸とは、肋骨を大きく広げて息を吸う呼吸法です。
ラジオ体操の深呼吸などが胸式呼吸にあたります。
期待できる効果
・交感神経を活発にさせ、身体がすっきりと目覚める
・姿勢がよくなる
朝やリフレッシュしたい時、ストレス発散したい時などに効果があります。
胸式呼吸のやり方
1.ヨガマットや座布団などを敷いた上に座ります。
2.骨盤を閉めるイメージでお腹をへこませます。
3.お腹をへこませたまま、鼻から息を吸います。
4.肋骨が大きく開いて肺に息が取り込まれ、胸が大きく広がります。
5.お腹はへこませたまま、口から息を吐きます。
6.肋骨が閉じて肺から息が出ていき、胸がしぼみます。
ウジャイー呼吸法(勝利の呼吸法)
「ウジャイー」=力の支配という意味。
「勝利の呼吸」とも呼ばれています。
胸式呼吸の1つ。
呼吸によって気の流れをコントロールする呼吸法。
期待できる効果
・内臓系の器官の活性化
・感情をコントロールする
ウジャイー呼吸法(勝利の呼吸法)のやり方
息を吸う時も吐く時も、お腹をへこませた状態を意識します。
口は閉じたまま舌先を巻きます。
「スゥー」と音がするように、鼻から入った空気が通るノドの奥の気管を細くします。
吸う時と吐く時の長さは均等にして、腹圧を高めて行います。
ノドの奥を通る空気の音を聞き、集中することでさらに意識が高まっていきます。
ヨガで花粉症の予防
ヨガで花粉症を克服できるか検証1
鼻づまり対策の呼吸の仕方 即効性あり ウジャイー呼吸 寝息 アレルギー
各呼吸法のポイントをコメント付きで紹介されています。
丹田呼吸法
丹田(たんでん)とは、おへそから握り拳1つ分程下にあたる部分をさします。
その丹田を意識した呼吸法です。
丹田から息を吐き出すようにして、腹筋が硬くなるのを確認しながら
ゆっくりと呼吸をしていきます。
期待できる効果
・横隔膜が鍛えられる
・自然治癒力や免疫力を高め、病気を克服・予防する
・心の安定化・活性化をもたらし、前向きに生きる意欲を高める
・深層筋が鍛えられることで、姿勢が正しくなる
・全身の血液循環がよくなり、血行促進、冷え症改善
・身体がリラックスしてきて、充実感とともに
「自分は生きている」という生命の実感を得られる
丹田呼吸法のやり方
丹田に意識を集中します。
息を吐く時は、「丹田→へそ→胸→気管支→鼻」の順で吐きます。
息を吸う時はその逆で、鼻から「鼻→気管支→胸→へそ→丹田」の順で吸います。
まず最初に息を吐くところから始めます。
息を吐く時は、丹田から絞り出すようにゆっくりと息を吐きます。
少し長めに1~8まで数えながら吐き続けます。
吐くにつれてお腹がへこみ、背中とくっつくように意識します。
そして、腹筋が硬くなっていくのを感じましょう。
吸う時は鼻からゆっくり吸いこみます。胸は膨らませずに丹田を膨らませます。
1~4まで数えながら吸っていきます。
完全呼吸法
完全呼吸法とは、腹式呼吸、胸式呼吸、肩(鎖骨)呼吸、クンバク(息を止める)を組み入れた呼吸法です。
期待できる効果
・酸素を多く取り入れることができる
・神経を穏やかにし、ストレスを軽減させる
・呼吸機能を高める
完全呼吸法のやり方
息を吸う前に、まずは、息を吐ききるところから始めます。
丹田に意識して、下腹部をへこませながら吐いていきます。
1.息を吸う
背筋を真っ直ぐ伸ばし姿勢を正した状態で、ゆっくりと鼻から一定に吸います。
息を吸う時のイメージは、「腹式呼吸→胸式呼吸→鎖骨呼吸」 の流れで、吸った息が、「丹田→肺→胸→気管支」 の順に流れていくのを意識します。
最後の動きでは、下腹部は少しへこみ、胸の上部が突き出るかたちになります。
2.息を止める
約2~3秒間、自然に息を止めます。
この時、丹田に力を集中し、肛門を締めて、肩とみぞおちの力を抜きます。
3.息を吐く
最初は、胸の位置を維持しながら、お腹をへこませながら、ゆっくりと息を吐いていきます。
さらに胸を戻し、肩も下げながら吐きます。
お腹、胸、肩が普通の状態に戻り、息を完全に吐ききったら、1につなげて繰り返します。
この1~3が一連の流れでできるようにします。
ハタ呼吸法
ハ=「太陽」、タ=「月」という意味で、
体内の陰「月」と陽「太陽」のバランスを調整する呼吸法です。
期待できる効果
・右から吸う時:身体を温める
・左から吸う時:身体を冷やす
ハタ呼吸法のやり方
右手の親指を右の小鼻に、薬指と小指を左の小鼻に当て、
人差し指と中指は軽く眉間に当てます。
両鼻から息を吐ききった後、自分の体調に合わせて、左右どちらかの鼻で呼吸します。
シータリー呼吸法
シーター=「熱をさます」「冷却」という意味。
冷たい空気を口から取り入れ、
温かい空気を鼻から排出する呼吸法です。
蒸し暑くて頭や身体がほてっている時などに即効性があります。
期待できる効果
・体温を下げ、リラックスする
・眠気が取れ頭がはっきりする
・血液を浄化し体内をリフレッシュさせる
・消化力を強め、活力を増進させる
シータリー呼吸法のやり方
1.上半身をリラックスさせ、息を全て吐きだします。
2.舌を筒状に丸めて口から出します。
3.ストローで吸うようなイメージで「シィー」と音を立てながら、ゆっくり息を吸います。
4.口を閉じ、のどを引き締め、鼻から温かい空気をゆっくりと吐いていきます。
火の呼吸法
クンダリニー・ヨーガの呼吸法をベースにしたトレーニング法。
短期間でエネルギーを高める強力な呼吸法で、短時間に神経系、内分泌系、脳に強く働きかけます。
「400戦無敗の男」で知られる総合格闘家ヒクソン・グレイシーも取り入れていた呼吸法です。
期待できる効果
・免疫力・自然治癒力の強化
・体力増強
・集中力の高揚
・持久力の強化
・精神力の強化
・脳の覚醒
・肺・粘膜・血管と細胞に溜まった老廃物や毒物を排出し体内を浄化する
・ストレスの制御能力を補助
・腹筋の強化
火の呼吸法のやり方
1.全身をリラックスさせ姿勢を真っ直ぐに保ちます。
2.息を鼻から吐きながらお腹を引っ込め、吸うときは鼻から自然に空気を入れます。
意識は吐くことに集中します。
3.はじめは1分間に30回くらいのペースで行い徐々に速くしていきます。
4.慣れたら1分間に200回程度の速さで呼吸を行います。
吸気と呼気の間隔を途切れさせることなく、断続的に力強く行います。
息を吐く時にヘソを背骨の方向に素早く引き、胸部はリラックスして行うことが重要です。
ヒクソン・グレイシーのトレーニングを紹介している動画です。
2:56~4:06 の間が、呼吸法を取り入れたトレーニングです。
バストリカ
バストリカ=「ふいご」の意味。
「ふいご」を使うと炎が強くなることから由来。
「ふいご」とは、鍛冶屋が鉄を鍛えたり加工したりする時に火を起こすのに使う道具です。
主に内臓器官に効果的な呼吸法です。
期待できる効果
・内臓の働きを活性化
・気管支の強化、喘息などの症状改善
バストリカのやり方
1.背筋をまっすぐ伸ばし座ります。
2.鼻から素早く「フン」と鳴らしながら、お腹を引っ込め息を吐きます。
3.吐き終わったら、お腹を膨らませながら素早く息を吸い込みます。
4.この呼吸を早いテンポで数回繰り返します。
5.その後、ゆっくりと息を吸い、あごを引き締め、ノドを閉じてお腹を硬くして息を止め、
さらにゆっくりと吐いていきます。
これを1セットとし、30秒ほどの休みを入れながら、計4セット行います。
カパラバティ呼吸法
カパラバティ=「光る頭蓋骨」という意味。
非常に高度で危険性も高く、完全呼吸や腹式呼吸が自然にこなせるレベルでないと難しい呼吸法です。
必ず信頼できる指導者のもとで練習することが重要。
こちらの呼吸法も、ヒクソン・グレイシーが取り入れていた呼吸法です。
期待できる効果
・肺や頭の空気が換気され、すっきりする
・腹筋や横隔膜、内臓の強化
カパラバティ呼吸法のやり方
1.背筋を伸ばして座ります。
2.お腹に力を入れ瞬間的に引き締め、鼻から空気を抜きます。
3.口を閉じ、お腹の力を抜いて鼻から「シュッ」と音がでるぐらい強く息を吐き、自然に吸います。
これを一定のリズムで行ないます。
1分間に120回ほど行なえるようになるのが理想です。
カパーラバーティ浄化呼吸法
カパーラバーティ浄化呼吸法です。前半はカパーラバーティで途中からバストリカに切り替わっています。
マントラ呼吸法
頭の中で言葉を唱えながら、すべての意識を呼吸に集中させることで雑念を追い払い心をクリアにする呼吸法。
他の呼吸法と違い、頭の中で唱えた2つの音に集中します。
期待できる効果
・より深い瞑想状態に入る
・集中力が高まる
マントラ呼吸法のやり方
息を吸う時は「アー」、吐く時は「オーム」と頭の中で唱えます。
頭の中で唱えたこの2つの音の響きを聞き入れて、己の心の声に耳を傾けます。
ポイントは、音に集中すること。
心を一点にとどめる技能を養うことが大切です。
まとめ
ヨガ呼吸法11選ですが、最大限にダイエット健康効果を高めて、痩せることにつながる。なおかつ太りにくい体にも変化させることができます。
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